子どもたちが平等に
夢を叶えられる世界を
実現していく。
- フリースクール
一般社団法人「福インクル学園」
代表理事
- 八杉 有飛さん
- YASUGI Yuhi
- 2019年度教育学部 学校教育課程初等教育コース 小学校教育サブコース3系卒業
「支援すること」でハンディキャップを越えていける
ここに通う子どもたちは、自分で1日の計画を立て、各自のスケジュールに沿ってドラムを叩いたり、パソコンを操作したり。コミュニケーションが苦手な子は、まずはここへ来ることを目標にして、どう過ごすかについて、無理に決めさせることはしません。私が代表を務める「福インクル学園」は子どもに平等に居場所があり、興味があることに挑戦できる環境を目指しています。2023年に立ち上げ、現在、小学生から高校生まで十数人が通っています。
フリースクールを立ち上げる以前から、「困っている人を支援すること」をテーマにいろいろな活動をしてきました。福井大学教育学部へ進学したのも、「未来ある子どもを支援したい」という思いがあったからです。自分自身、学生時代にいじめにあったことや、年の離れた妹の世話をするヤングケアラーでもあったことも影響しているのだろうと思います。生きづらさを感じている子、家庭環境に問題がある子など誰一人取り残さない教育環境をつくることをライフワークにしたいと考えるようになっていきました。
大学3年次には障がい者スポーツの団体に参加したり、海外ボランティアとしてベトナムの孤児院で過ごしたりしたこともあります。4年次にはJICAの東京本部でインターンを経験。全盲の職員を周りの人が自然とサポートしていて、本人も「助けてもらうこと」で自分の夢を実現している。趣味のサーフィンも楽しんでいらっしゃいました。支援があれば障がいを乗り越えられることを目の当たりにして、カルチャーショックを受けました。
地域連携や探求ネットワークを経験し、教育観が磨かれていった
大学での課外授業もとても面白かったんですよ。子どもたちといっしょに民泊したり、自然と触れ合ったりして、子どもの目線で地域の特性を教育にどう生かしていけるかを学びました。子どもと共同する探求ネットワークではグループの代表を務め、ハンディキャップを持つ子どもの支援についてメンバーと熱く議論した経験も今の組織運営に役立っています。大学卒業後、普通学級や特別支援学級での教員を経験し、オーストラリアではハンディキャップを持つ子どもの教育にも携わりました。オーストラリアの学校では外部の専門スタッフが教育に参加していて、国を挙げての熱量を感じました。
「福インクル学園」は2025年から事業内容を充実させていく予定です。ボランティアスタッフはさまざまな分野の専門家たちが集まっていますが、さらに多彩な経験を持つ地域の人たちと連携して子どもたちを育てていきたい。視野を世界に広げれば、貧困や育児放棄に直面している子どもたちがいる。国境を越えて、子どもの支援している組織ともつながり、世界の子どもの未来を輝かせていくサポートを続けること、それがこれからの夢です。
- 大学3年次に参加した東南アジアでのボランティアより
- 県民ワクワクチャレンジプランコンテスト2019で企画が採択されました!