学校?教師の挑戦に
伴走して教育の変化を導く
- 木村 優
- KIMURA Yuu
- 大学院福井大学?奈良女子大学?岐阜聖徳学園大学連合 教職開発研究科〈連合教職大学院〉准教授(教育学)
Profile
1978年、東京都生まれ。2011年、東京大学大学院総合教育科学専攻修士課程修了。
2009年に福井大学大学院教育学研究科研究機関研究員を経て、2011年、同研究科准教授となる。2017年9月―2018年8月に米国ボストン大学客員研究員。2018年より現職。
研究者詳細ページ
協働関係が生み出す教育の変革
学校で教師が同僚とともに、そして子どもたちが仲間とともにどのように学び合い、助け合い、共に成長していけるのか。
私は教育心理学?方法学をベースに「プロフェッショナル?ラーニング?コミュニティ(専門職の学び合うコミュニティ)」による学校づくりの研究をしています。この研究はもちろん私一人で成り立つものではなく、学校、教師たち、そして子どもたちの学びと成長に伴走する協働研究です。
例えば、2011年度から始まった東京都板橋区と教職大学院の連携プロジェクトの中で、本学大学院生でもある現職教員らと共に、中学校の組織改革の協働研究を行っています。そこでは、教師4、5名のチームをベースにした校内研修の企画運営、「生徒の学び」を中心にした教師間の協働学習を奨励し、教師主導の授業から生徒主導の協働的で探求的な授業づくりを支援しています。このような試みをするなかで、教師同士の関係が強固になり、子どもたちへの関わり方にも変化が見られるようになりました。子どもたちにも互いに学び合う様子が見られるようになり、結果的に学力の向上にも結びついたのです。学校に関わる全ての人々の意識が変わり、教師にも子どもたちにも学び合うスタイルが生まれました。このように、教師と子どもたちを取り巻く環境を理解しながら、教育の変化に携われることに大きなやりがいを感じています。
2030年求められる教育のかたちとは?
現在の大きな取り組みのひとつにOECD(経済協力開発機構)がサポートするISN(日本イノベーション教育ネットワーク)の実践研究があります。2030年の世界の教育を考える国際的な教育プロジェクトです。ISNに参加する教育学部附属義務教育学校や福井の県立高校での実践を日本全国、世界へと繋げて、互いに革新していく協働研究です。そうやって同心円状に豊かな教育実践が拡張していくように、教育のグランドデザインを描き実現することが、私の研究ビジョンになっています。
大学院入学をきっかけにギターを嗜んでいます。気分次第で好きな曲を弾き語りします。
?さぁ手を繋いで僕らの今が途切れないように? さて、誰の、何という曲でしょう?