近藤 雄一郎

運動嫌いな子どもにも
笑顔があふれる体育授業を

  • 近藤 雄一郎
  • KONDO Yuichiro
  • 教育学部 講師(体育科教育学)

Profile

1983年、群馬県生まれ。2012年、北海道大学大学院教育学院教育学専攻博士課程修了。同大学院教育学研究院の専門研究員、同大学や、北翔大学などの非常勤講師を経て2019年4月より福井大学教育学部講師となる。
研究者詳細ページ

アルペンスキーを科学的に探究

雪の斜面に旗門が設置されたコースを滑ってタイムを競うアルペンスキー。スピードを出すための体力に加え、ターンの技術が問われる競技です。私もかつてこの競技の選手でしたが、大きなけがをしたことなどで競技生活を断念し、恩師の勧めで指導者の道を選びました。大学院で体育科教育研究の面白さにもハマることに。テーマにしたのは、感覚ではなく、科学的な面からアルペンスキーの指導をどう行うかについての研究です。

アルペンスキーのトップ選手と各競技レベルの選手の滑りを撮影した連続写真やビデオ映像を比較して科学的に分析し、結果を伝えて競技力の向上に活かしてもらっています。科学的といっても、このターンでは進入角度が何度だからタイムが何秒遅れる、といった数値を示すだけでは伝わりません。選手とコーチが理解して実践できるよう、例えば「旗門の上部でスキー板の先端を方向付け、身体(からだ)全体を使い外側のスキー板に荷重する」と動きを言語化して伝えることが大事になってきます。氷点下の雪上での長時間にわたる撮影は苦労しますが、アドバイスした選手が大会で好成績を上げるとその甲斐があったとうれしくなります。日本人選手が国際大会で活躍できるよう、競技力の向上に貢献していきたいと考えています。

研究成果を学校現場へ

動き方の言語化は、スキー指導に限らず、他のスポーツ、さらには学校体育の現場で重要なことです。学校では、運動の苦手な子どももいます。競技スポーツの指導やルールを体育授業にそのまま持ってきてしまうと、多くの子どもがつまずいてしまうのです。動き方をどう言葉で表現するかという工夫、運動の得意な子も一緒に考えてみんなが関わるといった授業作りをすると、楽しく取り組めるようになります。また得意な子も動き方をより深く理解するきっかけになり、上達する可能性が広がります。

苦手意識を持つ子どもを一人でも減らし、笑顔があふれ活気ある体育授業を創造することを使命として研究を行っていきます。

It's My Favorite!

家族と行くスキーが楽しくて、一緒に滑る娘が上達する姿を見るのはとても楽しいです。