効率的な言語学習を
探究する
- イヴァン ロンヴァルディ
- Lombardi Ivan
- 国際地域学部 講師(第二言語教育)
Profile
1985年、イタリアBiella生まれ。2014年、Università Cattolica del Sacro Cuore (ミラノ)博士号取得。2014年、福井大学語学センター特命助教。2016年、同大国際地域学部助教、2021年、同講師となる。
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スピーキング上達のカギは「気づき」
長いあいだ英語を勉強しているのになかなか話せるようにならない、と感じたことはありませんか。それは自分の「上達」に気づけていないことが原因かもしれません。私は母国語以外の言語の習得において、「Awareness(=気づき)」がカギになるのではと着目し、スピーキングスキルの成長に効果的な学習方法を探究しています。
ライティングと違い、スピーキングは自分が以前どのくらい話せたのかを忘れてしまいがちです。そのため成長過程を把握しづらく、学習効率の低下につながっているのです。私の授業では、毎回録音して今の自分と何が違うのか、過去の録音を聞き学生に振り返ってもらうことで、従来の「なんとなく上達している」から「はっきりとした上達の度合い」について「気づき」が得られるようにしています。
研究者であるとともに、言語学習者として
研究としては、学生の振り返りだけでなく、アンケートやインタビューを行い、学生が感じた難易度や、それが学生のスピーキング力の成長にどう影響したかなどのデータを蓄積しています。そのデータ分析を背景に授業を組み立て、それぞれの学生はいま現在、何ができ、どのレベルか把握し、ガイドラインに沿った客観的な外国語力の上達につなげています。
翻訳ツールのめざましい進歩により、勉強しなくても様々な国の言語に触れ、やりとりすることが容易になりました。まるで新たな言語を勉強する価値がなくなったかのように思われますが、その国の文化や歴史に培われた繊細なニュアンスを、正しく汲み取ったり表現したりすることは困難です。そこに言語を学ぶ価値があり、多様な国の固有の文化などを深く知るために、何十年先になっても言語を学びたい人は居続けるでしょう。私自身も、研究者であるとともに言語学習者です。今後も新たな言語を身に着けたい人たちがいる限り、「最も効果的な」言語学習ツールを究めていきます。
イタリアの家庭ならどこにでもある「モカポット」で入れたコーヒーを越前焼のカップで飲んで、イタリアと福井の文化を融合させて楽しんでいます。