まちの変貌
背後にあるものを探究
- 田中 志敬
- TANAKA Yukitaka
- 国際地域学部 准教授(地域社会学)
Profile
1977年、愛媛県生まれ。2018年、同志社大学大学院社会学専攻博士後期課程修了。2007年、財団法人京都市景観?まちづくりセンター。2009年、花園大学非常勤講師、2011年、福井大学教育地域科学部講師。2016年、同大国際地域学部講師。2020年より現職。
研究者詳細ページ
激動する京都の都心部
私が研究を始めた学生時代は、国内の製造業が衰退する産業空洞化の真っただ中。キャンパスのあった京都市中心部でも繊維関係の事業所などが次々と倒産?閉鎖することで、土地の用途が変化していました。商工業の中心地だったところにマンションが建ち、住民が増え、小売店や飲食店が立ち並ぶ……、まちの環境は大きく変わってきました。私は、京都市中心部をフィールドに、このように時代によって変化していく土地利用と人の動きの関係を研究しています。
コロナが流行る少し前は海外観光客のインバウンド需要に対応しようと、マンションから今度はホテル用地への転換が進んでいました。コロナ禍の今、どのように動いていくのか興味深いのですが、フィールドワークが思うようにできないことが辛いところです。文献や地図から土地の使われ方の変化を「見える化」し、インタビューなどから住民の生活環境の変化への影響を明らかにしたいです。
PBLで持続するまちづくりを目指す
今年度受け持っている2年生の「課題探求プロジェクト(PBL)」で、JR美浜駅前に2023年に開業予定の道の駅「はまびより」を舞台に界隈の賑わい創出に取り組んでいます。
まちづくりが持続するために、地域の担い手を発掘し、その人たちが本当にやりたいことを引き出してサポートすることが肝心であると、学生らにコーチングしています。学生らは社会実験と効果測定までをし、それを地域の人にどう引き継ぐか、学生らには良い経験になると思っています。
地域社会学は「いま地域で起っていることを明らかにする」学問です。理論や問題意識をしっかりと持ってフィールドに出ないと、単なる思いつきや自分の限られた経験値だけに頼っていては、自分の成長や活動展開に限界がきて行き詰まってしまいます。フィールドに出て、自分の足りない部分を感じ、大学に戻ってまた学び直す。今からそういう習慣を身につけておけば社会に出てからも必ず自分の助けになるでしょう。学生の皆さんもぜひ、大学での学びを存分に活用してください。
大学時代から所有しているバイクに二十数年ぶりに乗り始めました。先日は小学生の息子を乗せてツーリング、舞鶴からフェリーで北海道へ行きました。