誰もが持っている楽器“口笛”世界初!口笛検定開始!
- 大学院工学研究科 情報?メディア工学専攻(聴覚モデル、音声認識)
- 森 幹男 先生
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口笛吹けますか?
近年、国内で定期的に「口笛音楽コンクール」が開催されるようになり、コンクールで上位入賞を果たすなどの活躍をした口笛奏者によって、「口笛音楽教室」が開講されるようになりました。また、口笛愛好家が定期的に集まり練習する「口笛音楽サークル」も増えています。このように口笛は誰もが持っている楽器といえます。福大生290名に「口笛で曲を吹くことができますか?」というアンケートをとったところ、全体の3分の1の人が「吹ける」と回答しました。吹ける人は「より上手く吹きたい」、吹けない人は「吹き方を知りたい」のではないでしょうか? しかし、口笛をどのように吹くかを理論的に説明してくれる情報は少なく、口を細めたりしながら試行錯誤をして音を出している人が多いかもしれません。実は、口笛についてはまだあまり科学的には解明されておらず、口笛音楽教室などにおいても、経験に基づく(試行錯誤による)指導が行われているのが現状です。
私の専門は、音声?聴覚?音楽情報処理ですが、現在は口笛の研究にも力を入れています。口笛に関してはこれまで研究ニーズに乏しく、科学的な論文はほとんど存在しませんでした。そこで、母音発声の仕組みを説明するための「声道模型」に2つのパーツを加える独自の工夫を施すことによって、口笛を吹いているときの口の中の状態を再現し、口笛音を発生させることに成功しました。これを使って発音原理を解明し、口笛を上手く吹きたい人はもちろん、口笛を吹けない人に対しても論理的な指導を可能にすることを目指しています。
口笛の録音は難しい?
口笛音を収録する場合、口笛を吹いたときの呼気がマイクロホンには雑音としてガサつくように入ってしまいます。このため、マイクロホンの位置を口唇の正面から横にずらすなどして呼気が直接入り雑音が発生しないように注意する必要があります。しかし、骨の振動から音を採取する骨導音を用いることによって、口笛音を収録することもできます。この方法を使うと、周囲の雑音が入り込まないという利点があり、これを応用した研究?開発を進めているところです。
口笛検定って何だろう?
口笛には、ピアノやそろばん等のような技能検定は今までありませんでした。開発した口笛検定試験システムではPCを使って「正確なピッチで100回発音できる」、「音階を正確に発音できる」などの達成度を測ります。合格時に表示されるパスワードを日本口笛音楽協会に報告すれば、500円(5級)からと安価な手数料で認定証を手にすることができます。検定ソフトは「口笛検定」で検索し、サイトから無料でダウンロードすることができます。また、キャンパス内では口笛音楽サークル「ハッピーバード」顧問として、口笛ハーモニーの魅力を伝えています。みなさんも口笛音楽、始めてみませんか?
今ハマっていること★
フィルムの時代、白黒写真を自分で現像し、数々のフォトコンテストにも入賞しました。ここ数年はデジタルカメラに持ち替え、主に学生の活動記録を残しています。