医学部医学科 3年
木下 智貴 さん
「大相撲で活躍している輝関は、中学時代の先輩。当時から圧倒的に大きくて強かった。こういう人がプロになるんだな、と。あの人を見て、大相撲への道をあきらめました」
長野県生まれの木下さんは保育園の頃から相撲を始め、小学生の時には全国レベルの選手に成長。強豪校で知られる西南部中学校(金沢市)に入学すると、寮生活をしながら相撲に打ち込みます。キャプテンを務め、全国大会でチームを団体準優勝に導き、自身も優秀な成績を修めました。
「当時は遠藤関に稽古をつけてもらったこともありますし、御嶽海関は小学校時代の先輩。相撲はいつも身近にあって、大相撲にも憧れていました」。しかし体は125kg、175cm止まり。スカウトもされましたが、プロへの道を断念し、進学を選びました。入学したのが、進学校の金沢大学附属高校。そして、福井大学医学部に進み、医師への道を志しました。大学に入った後も、金沢の道場で子どもたちの指導をしながら自らも稽古を続け、昨年は社会人として出場した石川県相撲選手権大会の85㎏未満級でみごと優勝を果しました。
「将来のことはまだわかりませんが、研究の道を歩むのなら海外にも行ってみたいし、ずっと身体を使ってきたので整形外科医にも興味があります」。これからも後輩を指導しながら、相撲を続けていきたいという木下さん。相撲を通じて広がる子どもたちやその家族などとの出会いの中で「人々が医学?医療に何を求めているのかを教えられる」とも話します。
相撲の道と医学の道――文武両道への挑戦が続きます。