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数学教育学会2022年度春季年会大学院生等発表会で学生優秀発表論文賞を受賞!

福井大学?奈良女子大学?岐阜聖徳学園大学連合教職開発研究科 教職開発専攻 1年

松浦妃南さん

私は教育実習や塾などで、中学生から「数学の中でも証明問題が一番嫌い」、「証明できるかどうかは運だ」といった言葉をよく耳にしていました。証明は中学校第2学年で学習しますが、苦手意識を持つ生徒は多く、数学嫌いの要因の1つとなっています。一方で現代社会を生き抜く上で論理的思考力は欠かせません。また現代数学の特徴は、公理と呼ばれる命題を前提にして、演繹的推論(証明)を重ねていくという点にあります。演繹的推論は、数学的な推論の一つであり、図形の概念や性質を個々ばらばらにではなく、体系的に組み立て整理できるという利点があります。このような数学が持つ演繹的体系を理解する上でも証明学習は重要です。

そこで私は、証明学習の困難性に焦点を当てて研究を行いました。とりわけ「証明を読むこと」と「証明を書くこと」ではどちらがより困難であるのか、また生徒が生成する未完成証明(途中で止まっていたり、推論に誤りがあったりする証明)にはどのような特徴があるのかに焦点を当てました。中学生を対象に認識調査を実施し、その結果を分析することで実証的に困難性の特徴の解明を試みました。この研究が評価され、数学教育学会2022年度春季年会大学院生等発表会において馬場奨励賞(学生優秀発表論文賞)を受賞しました。

初めての学会で不安と緊張が入り混じった発表でしたが、これまでの自分の研究が評価されたことがとても嬉しく、自信につながりました。このような賞を頂けたことを励みに、これからは大学院生として教育現場と関わりながら引き続き研究を進めてまいります。

最後に、これまで丁寧かつ熱心にご指導してくださいました先生方、共に悩み励ましてくれた友人たちに心より感謝申し上げます。

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