教育学部 学校教育課程 4年
河端樹梨さん
算数学習では、図形の求積公式や割合に関する公式など、さまざまな公式が学習対象となりますが、小学生の公式理解には問題点が指摘されています。例えば、令和5年度全国学力?学習状況調査で出題された2つの三角形の面積を比較する問題、の正答率は21.1%と低く、SNSなどで話題となりました。私はこうした実態に興味を持ち、小学生の公式理解について研究を行いました。
先行研究で躓きが多く指摘されている「三角形の面積=底辺×高さ÷2」に着目し、公式が適用できない要因として「公式を単なる求積手続きとして捉えており、公式の意味理解が不十分なのではないか」と考え研究を進めました。小学生と大学生を対象に公式理解に関わる認識調査問題を作成し、調査を行った結果、小学生だけでなく大学生までもが「底辺と高さの関係が分かっていない」ことはもちろん、公式を「底辺と高さの関係を表した式」と捉えることができていない実態を明らかにしました。こうした実証的な研究が評価され、数学教育学会2024年度春季年会大学院生等発表会において馬場奨励賞(学生優秀発表論文賞)を受賞しました。
初めての学会発表ということで不安や緊張もありましたが、これまで自分が研究してきたことが、学会という公式の場で評価されたことがとても嬉しく、大きな自信になりました。今後はこの賞を励みとし、教育現場にてこの研究での学びを実践に生かしていきたいと思います。
最後に、これまで丁寧かつ熱心にご指導してくださいました先生方、研究に協力して下さった生徒の皆様、日頃から支えてくれた友人たちに心より感謝申し上げます。