福井大学の総合図書館では、7月30日から「絵巻はマンガ」をテーマに、同館が所蔵する「信貴山縁起絵巻」の複製絵巻などを展示しています。
絵巻と聞くと古風で難しい内容だと思われがちですが、実際は現在のマンガに似た画集であり、古来より日本では、「源氏物語絵巻」、「伴大納言絵詞」など、絵でその時代を表現してきました。
今回展示する「信貴山縁起絵巻」は、平安時代中期に奈良県信貴山の修行僧、命蓮(みょうれん)に関する説話を描いている。作者不明ながら、人物の表情や躍動感を軽妙な筆致で描いた絵巻の一大傑作であり、日本のマンガ文化のルーツとされています。展示は、絵巻の一部に吹き出しを追加し、絵の様相を面白くかつわかり易く再現。マンガの手法である物が動く様子を表現したスピード線や、奇想天外なストーリーなど、現代に通じるものになっています。
「ジャングル大帝」や「鬼滅の刃」など現代の単行本と比較できるように同時展示。同館では、学生に向けて、専門書意外にも幅広く書物に親しむ機会を提供しています。