医学部病態制御医学講座 精神医学の小坂浩隆教授と丁 ミンヨン(ジョン ミンヨン)特命講師は、公益財団法人 明治安田こころの健康財団の研究助成を受けることになり、9月18日に福井市の明治安田生命福井支社で開かれた助成金贈呈式で目録を受け取りました。
小坂教授とジョン特命講師は、発達障害「自閉スペクトラム症(ASD)」の中でも大人になって気づくケースに着目し、血液検査や心理検査などでは簡単に診断がつかない本疾患を脳画像と人工知能を活用し診断する研究を行っています。ASDは近年、社会的に問題になっていますが、子どもの頃から診断がつけば療育や社会制度を受けることもできます。早期発見、早期対応に役立つ可能性のある本研究成果が社会に還元できることを目標に進めていきたいとしています。
同財団は、1965年度から助成活動をスタートし、「乳幼児期から思春期?青年期までの子どもの問題」「家族?家庭の問題」「高齢者の問題」に関する精神保健?福祉の領域について、「心理学?医学的研究分野」と「社会学?社会福祉学的研究分野」の2分野を対象に助成支援しています。2019年度は全国応募総数 134件のうち採択件数は18件、そのうち2件が本学の研究となりました。
【採択された研究テーマ】
小坂浩隆:「AIを用いた自閉症者の高次視覚野の身体の視覚処理に関わる脳活動の抽出-年齢に依存しないバイオマーカーの確立を目指して-」
丁 ミンヨン:「機械学習(AI)と脳科学における自閉スペクトラム症の感覚評価システム開発-『個性』として理解?臨床現場で応用すべきASD感覚的特徴の解明-」